日本抜刀道連盟の制定刀法は、当初、初伝5本、中伝5本、奥伝5本の15本ありました。それを平成8年3月、当時全日本剣道連盟の相談役であられた剣道・居合道範士九段中倉清先生の監修を得て、現在の10本に定められました。
当連盟の制定刀法10本は、すべて仮標(巻藁)を斬る形となっています。巻藁は動きません。しかし制定刀法の理念は、動かない物体を斬る据え物斬りとは違い、武士同士の真剣勝負を想定しています。仮標を技量互角の刀を構えた相手と見立て、これを一刀両断することを基本とする刀法であります。従って常に相手の斬り込みを体を躱して避け、または相手の攻撃の先手を取り、または相手の隙に斬り込む刀法で、わが身を傷つけず相手を一刀のもとに倒すものであります。
制定に当たっては、刀法の原点を剣道、居合道、古武術各流派に求め、日本刀法の神髄を正しく伝承しようとしたものであります。
また、あらゆる武道がそうであるように、礼に始まり礼に終わる、人の守るべき道を尊重するものであることはいうまでもありません。